大阪の現役調停委員に聞く。離婚調停の先にあるもの

調停の先にある裁判の泥沼

首を傾げたくなる、弁護士の存在
昔は、調停に代理人(弁護士)を立てる、ということは珍しかったのですが、今は、半分ぐらいが弁護士を立てるようになりました。2004年に法科大学院ができて弁護士が増えたのと、無関係ではないような気がします。特に仕事の少ない若い弁護士さんが、調停離婚の代理人でさえ受けざるを得ない状況なんですよね。
 
離婚相談に弁護士事務所を訪れたら、訴訟を勧められたという話を聞くと、「あなたの目的は、依頼人の問題解決ではなく、相手側と争って儲けること?」と疑いたくなります。裁判になれば、着手金で30万円、成功報酬などを合わせると、80万円近くになりますからね。つくづく、「そんな大金を弁護士に払うくらいなら、奥さんに渡したらどうですか?」と思います。そうすれば奥さんも満足して早く調停が終わるし、訴訟でお互いを傷つけあうこともないのですが・・・。


当事者にとって、調停の場でプラスに働く弁護士もいますが、マイナスにしかならない弁護士もいます。高額の依頼料に見合うメリットを感じさせるように、かなりのパフォーマンスをする。養育費取られたり、慰謝料取られたり、財産分与取られたりしても、「これだけ僕頑張ったんですよ」みたいなアピールを欠かさない。調停委員としては、当事者の方に対して「お気の毒に」と、引いてしまいますね。


離婚訴訟で勝ち取るもの、失うもの
調停で決着がつかず、離婚訴訟を起こしたとしても、円満に離婚できるとは限りません。むしろ、裁判で離婚が認められるのは、とても難しいというのが現実です。法律で離婚が認められるには、次のような明確な理由が必要だとされています。

  1. 配偶者に不貞な行為があった場合
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

このうち、多くの人が理由に挙げるのが、5番目の「婚姻を継続し難い重大な事由」です。言いようによっては、どんな夫婦にも当てはまりそうなあやふやな理由ですよね。だからこそ、正当な訴えだと全力で示さなければならず、重箱の隅をつついたような、証拠の応酬が繰り広げられます。

お互いボロボロに傷ついて判決を迎えても、離婚が認められることは難しい。結局、何の問題解決にもならず、お互いの不信感や憎しみだけが増幅し、親子関係まで壊してしまう、最悪の結果を迎える夫婦は少なくないのです。